成長ホルモンの課題
成長ホルモンの研究テーマ
舌下投与型の成長ホルモンスプレーが舌下から吸収されるのは間違いありません。女性への投与で「乳腺がはる」という副作用が一定頻度で見られること、初めての舌下投与10〜20秒後に「くらっとする」という訴えが低頻度ながらあること、高年男性への投与で夜間睡眠中に排尿のために起床する回数が減る、などから、舌下投与型スプレーが吸収され身体に作用していることが実証されます。その他にも、髪が伸びるのが早くなる、など計数的にも実証されます。
さて、この成長ホルモンを臨床現場で使用していると、いくつかの課題があることに気付きます。
その課題の中でもっとも研究価値がありそうなのが、
「低身長治療で用いる場合、成長ホルモンの注射では伸びが得られないのに、成長ホルモン舌下投与スプレーに変えるとよい伸びが得られることが多い」
という点です。
成長ホルモンの皮下注射は、血中に持続的な濃度上昇をもたらします。成長ホルモンの舌下投与スプレーは、瞬間的なスパイク上の高濃度をもたらします。
もともと、成長ホルモン(ソマトロピン)そのものが骨芽細胞に作用しているのか、それとも成長ホルモンが肝臓や骨末端部で変換されたIGF-1が骨芽細胞に作用しているのか、の医学的決着がついていないことなどを勘案すると、注射の場合と舌下投与スプレーの場合の作用の差に関して、研究を進めれば面白い知見を得られるような気がします。
その他の課題
その他にも、課題として残ることがあります。
●すでに背の伸びが止まった子どもに、成長ホルモン舌下投与スプレーを投与すると最初の6カ月で2cmほど身長が伸びる子が一定割合出現しますが、血液検査ではかならずしもIGF-1が増えているわけではない
●筋肉の発達に関しては、明らかに成長ホルモン注射は筋肉ボリュームが増えて有効であることが明らかですが、舌下投与スプレーにおいては瞬発力は高まるが筋肉ボリュームが明らかに増えるわけではない
●自己成長ホルモン分泌のある学童期(10歳まで)の子供に成長ホルモン舌下投与型スプレーを投与した場合、明らかに伸び率が高まる場合と変わらない場合がある。なぜなのか?
などです。他にも気づいている課題はありますが、メディカルサロンでこっそり研究テーマにしていますので、今は秘密です。
| 学会的にアンチエイジング医学に関心がもたれ、その内容も深められつつありますが、成長ホルモンをめぐっては面白い課題がたくさんあると思って欲しいものです。 | ![]() |

